コロナショックでどの業界でもかなり影響が出ておりますが不動産市場も例外ではありません。
【店舗・事務所について】
いま賃料交渉の相談が出ている物件が増えているそうです。
基本、賃料は遅効性があって、データに反映されるのは遅れる傾向がありますが、ここまで性急ですと過去データからは判別できないところがあります。
しかし政府の対応が性急だったのでしかたありません。やむを得ず店を閉めている店舗・事務所などでは不動産を利用出来ませんが、そえは貸主側も同じです。
先日、テナントを借りている知人から相談を受けたりもしました。
「コツはありますでしょうか・・・」と。(これから交渉をするらしい)
交渉ですので当然、コツはあります。経験上、貸主、借主どちらの立場からも相談はありますので。
非弁行為か!?代理交渉はしませんが(逆に積極的にやる不動産屋は怪しい気がします)、お友達なのでアドバイスはしました。
賃貸物件の場合、結局は貸主と借主はトレードオフの関係になりがちです。
その間に分け入る自分たちの仕事は、直接賃貸人と賃借人の間に入るリフォーム業者なども同じで「落としどころ模索サービス」と自虐的に言ったりもします。
ここで交渉するにあたり心構えだけ記載します。
★相手に敬意を払いましょう。
貸主と借主は「立場」が異なるだけで基本強い弱いはありません。また「身分」の違いではありません。相手に敬意を払うのは当然です。弱者、被害者アピールをする方がいますが、同情するなら金をくれ戦略は効率的ではありません。
★相手方の状況をよく調べましょう。
貸主側は裕福で余裕があるイメージですが、必ずしもそうではありません。先入観なく、また相手の状況に理解を示すことが重要です。
★自らの状況を客観的に説明する資料を自分で用意しましょう。
目的を達成するにあたり、資料を提示するのは主張する側なのは当然です。言われてから用意するのではなく、最初から用意しましょう。時間短縮のため、感情的に訴える部分(意見)と、データーで訴える部分(事実)を明確に分けましょう。
★100%の達成を狙うのではなく、70%、50%の達成目標も用意しておく。
先に書きましたが、貸主と借主はの関係は「トレードオフ」です。あなたが100%勝ったと思ったら相手は完敗したと思っております。
信頼関係の継続というのが賃貸ビジネスにとって重要な課題です。
相手を滅多打ちにするのもかまいませんが、いつかしっぺ返しに遭うのも賃貸囚人のジレンマです(笑)
折しも、4月からの民法改正も相まって、連帯保証人(店舗・事務所契約では多い)も巻き込む事態になっております。
実はこれ、貸主・借主双方にとって良いチャンスだと思います。

市場が最適な運用、効率的であればあるほど、しっぺ返し戦略は有効だそうです。
不動産に関わる契約、交渉ってそもそも一般の方はそれほど多く経験するものではありません。したがって先の友人もそうですが、事前に相談(準備)される方はご自身の事業でも優秀なんだろうな、と感じる方が多いです。